野菜の食卓

野菜の食卓

1月も中旬になり日常に戻りつつあります。この2、3日は記録的な寒波で各地で大雪の被害状況ががトップニュースで流れています。野菜も記録的な高値が続いていていつもの2倍から3倍です。特に葉野菜が高く欲しくても手が出ません。一個700円の白菜もニュースになっています。こうなると少しの野菜も無駄にできません。野菜というより食材全般の購入や保存に今まで以上にシビアになります。それでも冷蔵庫の中は相変わらず保存ビンやストックで隙なく、台所の棚や引き出しも乾物やお土産などがびっしりです。まずは今あるものを無駄にしない、だべ切れないと判断したものは早めにおすそ分けするなど、今あるものを循環させて使い切ることを心がけます。季節の手仕事の整理や管理方法など、体を作り、暮らしを支える食材について考える機会にしたいと思います。

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野菜の食卓について

食事のことを切り盛りしていた母が80歳を過ぎて、食事の支度をしなくなり、仕事で多忙だったこともあり、食卓にコンビ二やスーパーで買った食事ばかりが並ぶ日が続いたとき、これは何かが違うと感じ始めました。母が亡くなってから、私が食べたいのは小さいころから母が作ってくれていた野菜中心の食事であったことに気づきました。

春の山菜のにがみや夏のウリ類の歯ごたえ、実り秋のきのこの山の香り、冬凍った樽から取り出していただく漬物、四季折々の野菜が並ぶ食卓は季節の思い出と結びついて心の中に豊かで優しい気持ちを呼び起こします。自分でそんな食事が作れたらとしばらく料理教室に通いました。それからは野菜にこだわった料理ばかりを作るようになりました。野菜の旬を通して季節感にも敏感になりました。

食事会で野菜料理をたくさん作ると、皆さんに喜ばれます。私の周りの野菜好きは決まってもっと野菜を食べたいけれどワンパターンになりがちでバリエーションが少ないと言います。野菜の料理はボリュームを出すのが難しく手間がかかると言います。ならば楽しく作れて、おいしく食べて満足感もあり、自ら作って食べたい、食べさせたいと思う人のための、野菜料理を学ぶ場所を作るというアイデアが浮かびました。それは生活習慣病予防や長寿社会へのカラダにやさしい食生活、食育活動などとも結びついて意義がある仕事と思うようになりました。

何より野菜を切ったり、野菜に触ったりしているだけで幸せな気持ちになります。好きを仕事にしたいという気持ちが高まり以前の仕事を辞めて野菜に関われる仕事に大きく舵を切りました。こうして「旬」の野菜の食べ方を食卓に提案しそのノウハウを実地で学び合い、一緒にいただく料理サロン「野菜の食卓」は2005年夏に誕生しました。料理教室というよりは料理サロン、倶楽部のような場所、教えるといっても上下の関係はなく、田舎のおばちゃんに野菜を扱うコツを教わるような場所、野菜を好きになる場所、食卓で季節感を感じられる場所、を目指しました。

野菜が好きで通ってくる人たち同士も仲間のようになり、長く通う人たちも増えてきましたので、2010年からは初心者の人たちも参加しやすい「旬セレクト」コースを開設しました。2016年からはそれぞれ初心者向けとして「独活(うど)倶楽部」、3年以上通っている人向けに「茄子(なす)倶楽部」と名称を変えてスタートします。

食を取り巻く環境もこの10年で大きく変わり、食生活での野菜の重要性は日増しに大きくなっているようですが、個々の生活の中での野菜の存在は希薄になっているようにさえ思います。季節の野菜の記憶が今の食卓につながって元気をいただいている私自身がそうであるように「野菜の食卓」に関わる人たちの未来にも豊かな食の記憶の宝物を残せたら本望です。

野菜の食卓ギャラリー